野村研に来たい人へ
劇場認知科学 | ライブサイエンス に興味を持ったすべての方へ
- 「こういう研究者になりたい」という憧れの研究者像を持ってください.あなたが重要な決断をするとき,内なる声・内なる目として助けてくれます.
- 世界には,実現したものだけが残ります.プロトタイプ(α版)をまず作りましょう.実験計画や調査票,プログラムの第1稿のことです.また,結果を図にしましょう.それにより精緻化や細かな議論ができます.
- 野村は“日本ならではの研究を輸出する”,つまり,“日本発の研究”というコンセプトでグローバル化を目指しています.
学部3年生として
- 野村研では,日常生活にある認知・体験過程を研究の原点として大事にしています.日常生活や大学での学びを通して見つけた気づき・こだわりをメモしておきましょう.これが研究テーマのヒントになります.
- ゼミ配属にあたって,推奨科目・指定科目を設定しています.研究に必要な基礎知識を学び,身につけてもらうためです.留学や進路変更で受講できていない場合は相談してください.
- 野村研では,学生の興味から芽生えた問いを発展させて研究をしています.図(ワードクラウド)は,これまでの修論・卒論題目から生成しました.
- 野村研はいわゆる理系といわゆる文系のハイブリッドの研究室です.既存の学問領域の枠組みにとらわれず,劇場認知科学という新たな分野として実証的・理論的に研究を進めていきます.
- 2025年度配属からデータリテラシーIII(Python)を指定科目にしました.プログラミングが得意なら,C言語やMATLABを用いてもよいです.劇場認知科学ゼミの研究資源も参照ください.
学部4年生として
- 基本的には,専門ゼミを受講した学生が進学します.
- すでに研究の追試を経験しているはずなので,研究計画を立てて自主的に進めます.
- 研究室のプロジェクトの一環として行う場合には,本学の研究倫理審査を受けた上で,研究費で購入した備品や研究費を使用した研究も可能です.実践的・発展的な内容を考えている場合には相談してください.
- 野村は,学生の詳細なスケジュール管理をしません.必要なら,学生から教員にアポを取ってミーティングを設定してください.
- 学部4年生は練習で研究をしているのではなく,すでに研究者の一人であるということを自覚すると指導内容の意味が納得できるようになります.
修士課程の学生として
- スタートダッシュを大事にします.標準年限2年は短いというだけではなく,その後のキャリアにも影響するからです.
- 基本的には,修士課程の間に少なくとも1回は国際学会で発表します.卒論のテーマでも,新規のテーマでも構いません.まずはアカデミックな場を経験することが大事です.
- 修士課程での研究にかかる論文掲載費や渡航費は,その大部分を教員が獲得する競争的資金(学内研究費,科研費)により支出しています.学術的な貢献による資金提供者へのお返しを意識することは,社会的にも重要です.
- 外部から進学を希望する場合には,必ず出願以前に野村に相談してください.人間科学研究科としてもそのように勧めています.
博士後期課程の学生として
- 研究者養成を主たる目的としています.将来的に研究を継続していくという観点から,博士論文のテーマについては発展性を重視しています.
- 博士課程での学びは,その後の研究の基盤を作ります.初年度前半で自分の研究テーマに関連する先行研究を読み進め,できる限り年度内にレビュー論文を書きます.
- 成長を続けるためには,専門性を高めつつ,他の分野の研究者とも交流を持つことが重要です.このため,様々な場での発表を推奨しています.指導でも,プレゼンを重視しています.
- 修士課程の場合と同様,外部から進学を希望する場合には,必ず出願以前に野村に相談してください.
日本学術振興会PD,日本学術振興会RPDとして
- 野村は受入教員になることができます.
- 研究手法による制約は少ないと考えています.心理実験,フィールドワーク,数値実験などが可能です.
- すでに博士号を取得したPDやRPDはすでにいっぱしの研究者ですから,指導というよりも共同研究という関わり方になります.一緒にいい仕事をたくさんしましょう!
研究員として
- 将来的には,大型科研費を得たり企業から研究を受託して大規模な研究を行いたいと考えています.その際には,次のようなチーム構成を構想しています.
- [実験班]論文を書く以前に,多角的な仕事が求められます.エキスパートへの依頼,劇場関係者との連携,イベント(実験)の広報,参加者へのフィードバックなどです.
- [数理班]論文を書く以前に,パワフルな解析が必要になります.通常の数値計算に加え,画像処理等で並列処理を行います.一方で,集合行動の状態を人間にわかりやすく可視化することも必要になります.
- 2021年8月から株式会社テムズ様との間で共同研究契約を結び,研究を行っています.
- 2024年6月から長野県小諸市様と箇所間協定を結び,地方PR動画に関する研究および学生の交流で協力を進めています.
- 2024年8月からマインドスクエア様との間で秘密保持契約を結び,研究を行っています.
これまでの修士論文・卒業論文
2024年度
修士論文
- 周辺視野は音楽ライブ映像鑑賞者の心拍同期と一体感を高める
- ショート動画依存傾向尺度作成の試み
卒業論文
- 環境情報はオンライン観戦におけるスタジアムの興奮を再現するか
- チアリーディングの演出が観客の盛り上がりに与える影響
- 「緊張の緩和」理論の実証的研究
- 野球の試合観戦時の環境が観客の体験に与える影響
- 視聴環境がオンラインでのライブ参加感覚に及ぼす影響
- 演奏者間インタラクションがジャズの即興的創造過程に与える影響
- 観客の歓声の有無がダンサーの疲労と心理状態に与える影響
- 映画作品への没入度が「聖地巡礼」意図および行動にもたらす影響
- ペアでの歌唱が囚人のジレンマゲームにおける協力行動に与える影響
2023年度
修士論文
- 先行体験が物語鑑賞における情動的共感および感動に与える影響
卒業論文
- 地方PR動画の興味喚起効果を視聴行動から予測する
- テーマパークのショーおよびパレード鑑賞時のchill状態を引き起こす要因は何か
- 背景音楽が読書による感動体験に与える影響
- 舞台照明の色が音楽の印象に与える影響
- ライブ動画視聴時の姿勢と室温がポジティブ感情に与える影響
- クラシック音楽のテンポと聞き手の心拍数の一致が楽曲の印象評価に与える影響
- オンライン配信動画の画角がライブ体験に与える影響
- キャッチコピーの大きさが静止画広告の訴求力に与える影響
- 応援者と運動者の交流が運動成績に与える影響
2022年度
卒業論文
- 骨伝導聴覚刺激はオンライン配信にライブ体験を再現する
- 映像視聴時の応答主体感がライブ感に与える影響
- 音楽ライブにおける観客の同期は親密度を高めるか
- 座位時の身体配置が音楽鑑賞をする二者の心拍同期に与える影響
- スポーツ実況の熟達度が視聴者の注目度に与える影響
- 適応的熟達者はドローイング授業においていかに省察しているか
- 同一楽曲の鑑賞は個人内・個人間の心拍同期を引き起こすか
- 笑い声の有無と観客密度がVR落語のおもしろさに与える影響
- 歌詞または演奏技法の解説が楽曲鑑賞時の感動体験に与える影響
2021年度
卒業論文
- 視聴行動に基づく地方PR動画への好意度予測
- パフォーマンス映像のカメラワークが観客の興味に与える影響
- VR体験中のpresenceの低下を活用した社会不安の抑制
- 競馬における熱狂体験の構成要素
- コントにおける小道具の比喩法が面白さの主観的評定値に与える影響
- 10代・20代にとっての歌による感動とはなにか
- 観客の存在がJリーグにおけるホームアドバンテージに与える影響
- アウトドアスポーツにおけるフロー体験尺度の作成と信頼性の検討
劇場認知科学ゼミの研究資源
実験機器
- [共同]視線計測装置(Tobiiグラス)
- 視線計測装置(Tobiiナノ) 所沢キャンパス,早稲田キャンパス各1台
- ウェアラブル心拍計(myBeat, WHS-1,PCで同時計測)アンテナ2基(センサ10個,3個)
- ウェアラブル心拍計(myBeat, WHS-3,スマホで計測)3個
- VR体験装置(Oculus Rift s)株式会社魔法アプリ様とのコラボレーション
- MR対応ヘッドマウントディスプレイ(Meta, Meta Quest 3)1台
- 多チャンネル感情評定ダイアル(ユーモア・メータ)
- 超単焦点プロジェクタ(ViewSonic, X2000B-4K)所沢キャンパス,早稲田キャンパス各1台
利用できるソフトウェア
- MATLAB(早稲田大学の包括ライセンス)
- SPSS(早稲田大学の包括ライセンス)
- AMOS(早稲田大学の包括ライセンス)
- 瞬目自動検出プログラム(Python,研究室で開発)
- 顔特徴点検出プログラム(Python,研究室で開発)
- 視線の集合行動解析プログラム(Python, 研究室で開発)
- 瞬時心拍数計算プログラム(MATLAB, 研究室で開発)
- リカレンスプロット,因果推論等の解析プログラム(C言語,研究室で開発)