劇場体験を時間発展として捉える
鑑賞体験は,作品全体に対する事後評価だけではなく,数秒から数分の時間スケールで変化する反応の連続として捉えることができます。「いま・ここ」の体験を計測することで,記憶のバイアスを避け,より実態に近い鑑賞体験に迫ることができます。
このプロジェクトでは,劇場や音楽ライブなどの鑑賞場面において,観客の表情,心拍,身体運動,笑い,瞬目などの時系列データを測定します。そこから,個人の反応が集団の中でどのように同期し,時間とともに変化するのかを調べます。
従来の実験室研究では,統制された環境下で刺激に対する反応を精密に調べることができます。一方,実際の劇場では,パフォーマンス,観客,空間配置が複雑に作用します。本研究では,このような場の雰囲気や盛り上がりをそのまま研究対象とし,小型センサやスマートフォンを用いたフィールド・センシングを通して鑑賞体験の時間発展を理論化します。
ライブ会場の観客を対象とした研究では,フィールド・センシングで得られた身体運動や心拍などの多変量時系列から,観客間の同期を検討し,その同期を引き起こす共通入力の再構成を行っています。これにより,劇場やライブにおける場の特性(field characteristics)を,主観的印象だけでなく,定量的に分析することを目指しています。
また,劇場やライブ会場で生じる盛り上がりや情動伝播のパターンを比較するための同期指標や可視化手法についても提案します。
観客10名の笑い時系列を時間遅延座標系に埋め込み,状態空間上の軌道として再構成した動画です。零点からの距離(振幅)は異なっていても,同じタイミングで周回する場面がみられます。
Data source: DOI 10.5281/zenodo.19014107
鑑賞体験は,作品全体に対する事後評価だけではなく,数秒から数分の時間スケールで変化する反応の連続として捉えることができます。「いま・ここ」の体験を計測することで,記憶のバイアスを避け,より実態に近い鑑賞体験に迫ることができます。
心拍や身体運動の時系列を用いることで,個人の認知・感情・身体反応だけでなく,観客集団としての同期・一体感を同じ分析枠組みで扱うことができます。共通入力下での観客間相互作用という,劇場に普遍的な構造を明らかにします。
劇場やライブ会場での測定は,日常場面よりは状況を制約しつつ,自然に情動を観察できる研究方法です。この方法により,実験室では見えにくい演者ー観客群のコミュニケーションのダイナミクスを検討できます。
第1回 お笑いライブ 吉本興業「笑いと健康プロジェクト」共同企画 大宮ラクーンよしもと劇場 (2025.10.16)
[出演]金魚番長・田津原理音・ななまがり・ダンビラムーチョ・うるとらブギーズ・GAG・トット・囲碁将棋
第五回 実験寄席 [出演]古今亭文菊・桂銀治 早稲田小劇場どらま館 (2024.05.27)
早稲田大学落語入門 [出演]古今亭文菊・桂銀治 早稲田小劇場どらま館 (2024.05.27) [上記と同日開催]
第四回 実験寄席 [出演]古今亭文菊 東京大学本郷キャンパス (2019.02.12)
実験寄席 番外篇JINS MEME×落語会 [出演]古今亭文菊(映像協力) 東京大学本郷キャンパス (2015.01.18)
第三回 実験寄席 [出演]立川こはる 東京大学本郷キャンパス (2014.12.03)
第二回 実験寄席 [出演]古今亭文菊 東京大学本郷キャンパス (2013.12.06)
落語入門講座 [出演]古今亭文菊 東京大学本郷キャンパス (2013.12.06) [上記と同日開催]
第一回 実験寄席 [出演]桂宮治・春風亭昇々 東京大学本郷キャンパス (2012.07.30)
第1回 実験音楽コンサート [出演]川島ケイジ・GOING UNDER GROUND 六本木クラップス (2022.06.05)