笑いを日常的に測定する
笑いを自動カウントすることで,自己報告だけでは捉えにくい日常的な笑いの頻度や時間変化を記録できます。これにより,笑いと健康の関係をより細かな時間スケールで検討できます。
このプロジェクトでは,日常生活や劇場で生じる笑いを測定し,笑いの頻度と身体的・精神的健康の関係を検討します。「笑うと健康になる」という俗説が支持されるのかどうかを,ランダム化対照実験を用いて検証します.
大規模コホート研究(Sakurada et al., 2020, J. Epidemiology)では,ほとんど笑わない人(月1回未満)に比べ,たまに笑う人(月2,3回)やよく笑う人(週1回以上)は,死亡率が低いことが示されています。ただし,この結果はあくまで自己評価に基づくもので,実際の笑いの回数との関係は正確には不明でした。
本研究では,日常生活の中で生じる笑いを自動カウントするアプリを用いて,いつ,どの程度笑ったのかを時系列データとして記録し,身体的・精神的健康との因果関係を統計的に検討します。
今後,笑い計測アプリを使用した縦断研究のモニターを募集予定です。また,笑い計測アプリでは,笑いが少なくなった時に近隣の寄席やお笑いの公演情報をプッシュ通知したり,笑った回数をポイント化する機能を実装する予定です。
劇場で収集した笑いデータから,個人に合わせた笑い計測器(テーラーメイド笑度計)を作成し,日常生活での笑いの回数とその時間変化を記録します。さらに,気分や体調変化の予兆を検出することを目指します。
注:画像はイメージであり,実際のアプリ画面とは異なります。
笑いを自動カウントすることで,自己報告だけでは捉えにくい日常的な笑いの頻度や時間変化を記録できます。これにより,笑いと健康の関係をより細かな時間スケールで検討できます。
笑いは生活を楽しめていることを示す指標の一つです。本研究を通して,笑いの量の増減から健康のゆらぎの予兆(不調の前触れ)を見つける可能性があります。
笑うことが健康に良いという因果関係が示されれば,積極的に笑えることを探すのも良いかもいしれません。笑いが減ってきた時,笑い計測アプリから公演情報を提供し,日常に笑いを増やすお手伝いをします。
野村亮太 (2026.3) フィールド・センシングによる観客間相互作用の同定,電子情報通信学会2026年3月HCS研究会,静岡大学浜松キャンパス.
野村亮太・丸野俊一 (2008) ユーモア生成理論の展望―動的理解精緻化理論の提案―. 心理学評論, 51(4), 500–525.